3/11

今、広島にいる。

 

一年前の大震災の時は事務所で4,5人で打合せをしていた――。

 

「お、地震だ」

 

「結構すごいぞ」

 

  ………

 

「逃げる?」

 

「逃げよう!!」

 

ダ―――……

 

 

スリッパのまま道路に飛出した。

上を見ると電柱が揺れ、19階建のマンションまでもグラグラ揺れている。

壊れないのはわかっているが、こんなのみるととても住めない。

 

夕方家に帰ると、妻の友達が来ていた。

神田から歩いてきたとの事だった。

夜、テレビをみていて、「原発だけはよけいだ」と感じた。

 

なんとも言えない気持ちがよみがえってきた。

 

 

和辻哲郎は「風土」の”第二章モンスーン”の中でこう述べている――。

 

 

人間はおのれの生の力をもってその生の根源たる力(生をもたらす湿潤)に対抗することはできぬ。

忍従はここ(モンスーン地帯)では生への忍従である。”

 

 

私は東北人である。

この一年間「受け入れることも拒否することもせず、先祖と子孫のことを思い

ただもくもくと日常を送り、時が過ぎる」ではなかったかと思う。

 

もう一度。

 

「原発だけはよけいだ」

 

 

 

 

 

GA JAPAN 114 で内藤廣、隈研吾、二川幸夫の対談が載っていた。

対談自体は非常に違和感を覚えたが、その中で二川幸夫が「個人的にも被災地の写真なんて撮れないし、今回初めて公の場で3.11についてコメントしている……。」には、非常に共感を覚えた。

 

明日は出雲大社と、槇文彦の島根県立古代出雲歴史博物館をみる。

 

ちょっとたのしみだ。

 

:tanno: